はじめに:あなたの「信用」が数値化される時代へ
「クレジットカードの審査に落ちたけれど、理由がわからない」
「将来、住宅ローンを組みたいが、今の自分の信用力で大丈夫だろうか?」
これまで、私たちが金融機関やクレジットカード会社から受けてきた「審査」の中身は、いわばブラックボックスでした。
しかし現在、日本最大の信用情報機関であるCIC(シー・アイ・シー)は、信用情報の開示サービスと統計モデルを用いて個人の信用力を数値化する「クレジット・ガイダンス情報(信用スコア)」の提供を始めています。
自分の信用力が「見える化」されることは、不安かもしれませんが、正しく対策を立てるチャンスでもあります。
この記事では、クレジットスコアの仕組みと、そのスコアを上げるための具体的な方法について、弁護士が分かりやすく解説します。
1. クレジットスコア(クレジット・ガイダンス)とは何か?
クレジットスコアとは、個人の年収や勤務先といった属性情報ではなく、「過去のクレジット(借入れ・支払い)の利用履歴」に基づき、将来の支払い能力を客観的に数値化したものです。
CICが提供する「クレジット・ガイダンス」では、以下のような要素が分析されます。
- 支払状況:約束通りに支払われているか(延滞や異動がないか)。
- 残高:現在、いくら借入れがあるか。
- 契約数:保有しているクレジット契約の件数。
- 契約期間:クレジットカードなどを長く安定して使っているか。
- 申込件数:クレジット会社等からの照会件数。短期間に何件もの申込みをしていないか。
これらのデータが統計的に処理され、「この人は今後、支払いが滞る可能性がどれくらい低いか」がスコアとして算出されます。特に支払状況と残高が重視され、全体の7割の重みがあります。
スコアは、200~800点で評価され、スコアが高いほど、ローンやカードの審査に通りやすくなり、将来的には金利の優遇などが受けられる可能性もあります。
スコアは620~709点の間に全体の55%が分布しています。
概ね620点を超えていれば平均的な信用力を有しているといえ、710点以上は高い信用力を有していると評価できるでしょう。
619点以下の場合は、将来のために信用力の改善を検討する必要がありそうです。
2. 自分のスコアを確認する:CICの情報開示方法
まずは、自分の現状を知ることが大切です。CICではスマートフォンを使って簡単に自分の信用情報とスコアを確認することができます。
スマートフォンでの開示手順
- CICの公式サイトにアクセスし、スマホ開示の手続きを開始します。
- 本人確認:運転免許証やマイナンバーカードなどをスマホで撮影し、顔認証を行います。
- 手数料の支払い:500円(※2025年現在のネット開示料金)をクレジットカードやPayPayなどで決済します。
- 情報の閲覧:PDF形式で「信用情報開示報告書」と、オプションで「クレジット・ガイダンス(スコア)」を閲覧できます。
報告書の「入金状況」欄に、「$(ドル)」マークが並んでいれば、正常に支払われている証拠です。
逆に「A(お客様の都合で未入金)」や「異動(いわゆるブラックリスト)」の記載があると、スコアは大きく低下します。
3. 信用スコア(クレジットスコア)を上げる具体的な方法
スコアを上げる、あるいは高水準を維持するためには、日々の「クレジットヒストリー(クレヒス)」の積み重ねが重要です。
① 「$」マークを積み上げ、延滞を絶対に避ける
スコアに最も良い影響を与えるのは、「毎月遅れずに支払うこと」です。これを数年続けることで、「支払いの確実性」が高いと評価されます。逆に、たった1回の引き落とし不能でも、スコアは敏感に反応し低下します。
また、「毎月の支払がない」ということもできれば避けるべきです。具体的には多くのクレジットカードを作成しておきながら、利用せずに死蔵しているカードがあるような場合です。
このような状況は、「支払履歴がない」として記録されていき、信用情報に悪い影響を与えます。少額であっても利用し支払の記録を作るか、使用していないクレジットカードは解約することが望ましいといえます。
② 「申込みブラック」を回避する
短期間(半年以内)に何枚もクレジットカードを申し込むと、「お金に困っているのでは?」と疑われ、スコアが下がります。これを「申込みブラック」と呼びます。
カードの申込みは、必要なものに絞り、期間を空けることが大切です。申込みを否決された場合であっても、焦って別のカードを申込んではいけません。
否決の記録も信用情報に記録されていて別のカード会社が参照します。「前の会社が否決しているということは信用力に問題のある人物なのかもしれない」と警戒され否決が連鎖してしまいます。
申込みを否決された場合には、次のカードの申込みには半年以上期間を空けるようにしましょう。
③ 不要なキャッシング枠を減らす
クレジットカードに付帯している「キャッシング枠」は、実際に借りていなくても「いつでも借りられる負債」としてカウントされることがあります。
使わない枠は解約するか、0円に設定することで、スコアの改善に繋がることがあります。
なお、新しくクレジットカードを申込む際、信用情報やスコアに不安があれば「キャッシング枠」を0にして申込みをすることで審査が通りやすくなる場合があります。不要なキャッシング枠は設定しないように気をつけましょう。
④ 適切な債務整理を行う
もし、すでに返済が滞り、「異動(ブラック)」情報が載っている場合、そのまま放置してもスコアは上がりません。
弁護士による債務整理(任意整理・自己破産・個人再生)を行うと、短期的にはスコアは下がりますが、「完済」または「免責」から一定期間(5年〜7年程度)が経過すれば、事故情報は消去され、スコアをゼロから作り直すことが可能になります。
借金問題を法的に解決することは、長期的に見れば「信用回復」への最短ルートなのです。
おわりに:スコアに一喜一憂せず、健全な家計管理を
クレジットスコアは、あくまであなたの過去の行動を映す鏡です。スコアを上げることばかりに固執するのではなく、無理のない範囲でカードを利用し、期日を守るという当たり前の習慣を身につけることが、結果として最強の「信用」に繋がります。
「今の借金が原因でスコアがどん底だ」
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