はじめに

相続が発生すると、遺産分割協議書が必要になる手続きがあります。そのため、多くのケースで、相続人同士が話し合って遺産分割協議を作成することになります。
遺産分割協議書には、合意した遺産分割の方法と相続の割合内容をまとめることになります。
今回は、遺産分割協議書作成の流れと、遺産分割協議書が必要になる手続きについて見てみましょう。
遺産分割協議書を作成する流れ
1.相続人を確定させる
遺産分割協議書は、相続人全員で話し合って合意する必要がある書類です。そのため、まずは協議に参加する相続人を確定することからはじめます。
相続人の確定には、亡くなった方の戸籍謄本などを取り寄せて行います。家族がすでに把握している親族だけが相続人だとは限りません。隠し子や疎遠な兄弟がいる場合はけして珍しくありません。
2.被相続人の財産を確定させる
財産を分けるには、亡くなった被相続人の財産を調べて確定させなければなりません。現金・預金・不動産などのプラスの財産はもちろん、借入やローンなどマイナスの財産もすべて把握し、財産目録を作成します。
また、遺言書があればその内容が優先されるため、併せて有無を確認しておきましょう。
3.遺産分割協議を実施する
相続人と相続財産が確定したら、遺産分割協議を実施します。相続人が遠方にいる場合であっても、必ず参加が必要です。
遺産分割協議は、相続人全員の合意がなければ成立しません。それぞれの意見や主張があり、時間がかかるケースもあるため、迅速に進める必要があります。
相続税の申告と納付には期限があります。相続開始を知った日の翌日から10か月後が期限です。遺産分割がまとまらない場合は、遺産分割調停や遺産分割審判をおこなうことになります。
4.遺産分割協議書を作成する
遺産分割の内容が決まったら遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書の書式は決まっていません。次の項目は含めるように気をつけてください。
- 亡くなった被相続人の名前と死亡日
- 相続人全員が内容に合意している旨
- 相続財産の内容
- 相続人全員の名前と住所
相続人全員の実印を押印すれば完成です。
遺産分割協議書が必要になる手続き
相続においては、さまざまな手続きで遺産分割協議書が必要になります。主な手続きには次のようなものがあります。
- 銀行などでの預金の名義変更や払い戻し
- 株式の名義変更
- 自動車の名義変更
- 不動産の相続登記
- 税務署への相続税の申告
弁護士に依頼するメリット
遺産分割協議で相続人同士の話をまとめたり、遺産分会協議書を作成したりすることは、手間がかかるものです。また、遺産の分け方や有効な協議書の書き方など、法的知識がなければむずかしいこともあるでしょう。そのため、弁護士に依頼をするのがおすすめです。
遺産分割協議や協議書の作成を弁護士に依頼するメリットには、次のようなものがあります。
- 法的に適切な遺産分割の割合や分け方がわかる
- 法的な見地から相続人同士の話し合いをまとめられる
- 家や土地などの不動産がある場合の分割方法のアドバイスを受けられる
- 自分たちが把握していない相続人がいるかどうか調査を任せられる
- 協議がまとまらず調停や審判になったときにサポートを受けられる
まとめ

遺産分割協議は、ご家族の状況によっては複雑な話し合いになってしまうことがあります。意見が食い違い、揉めてしまうケースもあります。
なるべくトラブルを避けて法的に適切な遺産分割を進めるには、弁護士にご相談やご依頼をいただくのが一番です。
宝塚市のルーセント法律事務所では相続人の調査や遺産分割協議をサポートしていますので、まずはお気軽にご相談ください。