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【2026年4月スタート】取り決めがなくても請求できる「法定養育費」とは?
制度の仕組みと注意点

2026.08.19

はじめに

「早く離婚したいけれど、養育費の話し合いがまとまらない」

「相手と関わりたくないから、養育費の約束をせずに家を出てしまった」

これまでの日本では、離婚時に養育費の取り決めをしていないばかりに、離婚後に一切の支払いを受けられず、経済的に困窮してしまうひとり親家庭が社会問題となっていました。

子どもが健やかに育つための権利を守るため、今月(202641日)から改正民法が施行され、新たに「法定養育費(ほうていよういくひ)」という制度がスタートしました。

これにより、日本の養育費のルールは歴史的な転換点を迎えます。

この記事では、新しく導入された法定養育費の仕組みと、絶対に知っておくべき「落とし穴」について弁護士が分かりやすく解説します。

「法定養育費」の3つの重要ポイント

法定養育費とは、一言でいえば「離婚時に夫婦間で養育費の合意をしていなくても、法律の力によって最低限の養育費を請求できるセーフティネット」です。

この新しい制度には、大きく分けて3つの特徴があります。

1.金額は「子ども1人あたり月額2万円」

法定養育費の金額は、相手(支払う側)の収入などに関係なく、子ども1人につき一律で月額2万円と定められています。

子どもが2人であれば月額4万円、3人であれば月額6万円となります。

相手が「払わない」「そんな約束はしていない」と主張しても、法律上当然にこの金額を請求する権利が発生します。

2.離婚した日にさかのぼって請求できる

これまで、養育費は「請求した時点」からしか認められないのが原則でした。

しかし法定養育費は、離婚した時点から支払い義務が発生します。

たとえば、取り決めをせずに離婚し、1年後に「やっぱり養育費を払ってほしい」となった場合でも、さかのぼって請求することが可能になりました(ただし、一定の時効や制限があります)。

3.2026年4月1日「以降」の離婚が対象

最も注意しなければならないのは、この制度が適用されるのは「2026年4月1日以降に成立した離婚」に限られるという点です。

施行日よりも前(2026331日まで)に離婚しているご家庭については、残念ながら法定養育費の制度を利用することはできません。

これまで通り、家庭裁判所の調停などを通じて個別に請求していく必要があります。

払ってもらえない場合はどうなる?(先取特権の導入)

「法律で2万円と決まっても、相手が無視したら結局もらえないのでは?」

そう不安に思われる方も多いでしょう。今回の法改正では、養育費をより確実に回収できるよう、「先取特権」という強力なルールも新設されました。

これにより、相手が法定養育費の支払いを滞納した場合、他の借金などの支払いよりも「優先的に」相手の給与や財産から養育費を回収(差し押さえ)する手続きが、これまでよりも格段に行いやすくなりました。

国を挙げて「養育費の逃げ得は許さない」という姿勢が明確になったといえます。

「月2万円」で満足しなければならないわけではありません

法定養育費は、合意ができなかった場合の「とりあえずの最低限の保障」としては非常に画期的な制度です。

ただし、「法定養育費(月2万円)があるから、わざわざ面倒な話し合いをしなくてもいい」と妥協してはいけない、ということに注意してください。

裁判所が公表している「養育費算定表」によれば、一般的な会社員の収入であっても、本来受け取れる適正な養育費は子ども1人あたり月額4万円〜6万円、あるいはそれ以上になるケースが非常に多いのです。

もし本来なら月額6万円をもらえるはずなのに、話し合いを避けて法定養育費の「月額2万円」のままにしてしまった場合、どうなるでしょうか。差額は毎月4万円、年間で48万円。

子どもが成人するまでの十数年間で計算すれば、数百万円から一千万円近い損をしてしまうことになります。

子どもの将来の学費や習い事の費用を考えれば、この差はあまりにも大きすぎます。

子どもの未来を守るため、まずは適正額の確認を

法定養育費はあくまで「最低限の暫定措置」です。

月額2万円で全てというわけではなく、しっかりと取り決めができるまでの暫定的・補充的な内容であることを軽視すべきではありません。

離婚の際は、相手の収入に応じた「本来の適正な養育費」をしっかりと計算し、公正証書などの法的に効力のある書面で取り決めを残すことが、お子様の未来を守るための最善策であることに変わりはありません。

 

「相手と直接話すのが怖い」

「適正な金額がいくらなのか分からない」

そのような時は、ルーセント法律事務所にご相談ください。宝塚市・西宮市をはじめとする阪神地域で、多数の離婚問題を解決してきた弁護士が、あなたの代理人として相手方と交渉し、お子様が本来受け取るべき正当な養育費をしっかりと確保します。

20264月にスタートしたばかりの新しいルールについても、分かりやすく丁寧にご説明いたします。離婚を急ぐ前に、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。

この記事の監修者

磯田 直也

兵庫県弁護士会所属

大阪大学大学院高等司法研究科修了後、大手法律事務所で支店長などを務めた経験を持ち、個人の離婚・相続・交通事故・刑事事件から企業法務まで幅広い分野に対応しています。初回相談無料やオンライン面談にも対応し、依頼者に寄り添った丁寧な対応を心掛けています。

磯田 直也

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