コラム

  • HOME>
  • コラム>
  • 【交通事故】病院で「事故に遭った」と伝え・・・

【交通事故】病院で「事故に遭った」と伝え忘れていませんか?
賠償額への影響を避けるために

2025.07.07

はじめに:事故後の通院、一番大切な「一言」

はじめに:事故後の通院、一番大切な「一言」

交通事故に遭い、体に痛みや違和感が生じたとき、病院やクリニックなどの医療機関を受診されると思います。

その際、ご自身の症状(「首が痛い」「腰がだるい」「頭痛がする」など)を医師に伝えることは、ごく自然のことです。

しかし、それと同じくらい、いえ、法的な観点からはそれ以上に重要なことがあります。

それは、診察の際に、必ず「〇月〇日に交通事故に遭いました」と、その症状が交通事故に起因するものであることを明確に伝えることです。

この「一言」を伝え忘れてしまうと、後々、あなたが受け取れるはずの治療費や慰謝料などの損害賠償額に、非常に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。

この記事では、なぜその一言がそれほどまでに重要なのか、その理由を弁護士が分かりやすく解説します。

なぜ医師に「交通事故が原因」と伝える必要があるのか?

その理由は、大きく分けて3つあります。

理由1:的確な診断と治療を受けるため

まず何よりも、あなたご自身の健康のためです。 例えば、ただ「首が痛い」とだけ伝えた場合と、「車で追突されてから首が痛い」と伝えた場合とでは、医師の診察や治療の仕方が変わってきます。

後者のように伝えれば、医師は「むち打ち症(頸椎捻挫)」の可能性を念頭に置き、レントゲンだけでなく、必要に応じてMRI検査を検討したり、神経学的な所見を確認したりと、事故による特有の損傷を想定した、より的確な診察を行うことができます。

正確な原因を伝えることは、適切な診断と、その後の最適な治療を受けるための第一歩なのです。

理由2:事故と症状の「因果関係」を証明する、最も重要な証拠となるため

交通事故の損害賠償を受けるためには、あなたの怪我や症状が「その交通事故によって生じたものである」という、法的な因果関係を証明しなければなりません。

そして、この因果関係を証明する上で、最も客観的で強力な証拠となるのが、医師が作成する「カルテ(診療録)」や「診断書」なのです。

【良い例】

■カルテに「〇月〇日、停車中に後方から追突される事故に遭い、その後から頸部痛と頭痛が出現」と記載されている場合。

→これを見れば、誰が見ても症状の原因が交通事故であることは明らかです。

【悪い例】

■カルテに「一週間ほど前から頸部痛あり」としか記載されていない場合。

これだけでは、原因が交通事故なのか、寝違えただけなのか、あるいは持病など別の原因なのか、全く分かりません。

 

相手方の保険会社は、示談交渉のプロです。

後者のような記載しかない場合、「この痛みは本当に事故が原因ですか?事故後の日常生活で痛めた可能性もあるのでは?」と、因果関係を厳しく追及し、治療費や慰謝料の支払いを拒否してくる口実を与えてしまいます。

あなたの「事故に遭った」という一言が、カルテに客観的な証拠として記録され、あなたの権利を守ることに直結するのです。

理由3:保険会社に治療費などをスムーズに請求するため

交通事故の治療費は、多くの場合、相手方の自賠責保険や任意保険から支払われます。保険会社は、その治療が「事故による怪我の治療」であると確認できなければ、支払いをしません。

医師に事故のことを伝えていないと、健康保険を使って治療することになりますが、後から保険会社に請求しようとしても、「カルテに事故の記載がないので、支払えません」と断られてしまう可能性があります。

最初に事故の件を伝えておくことで、その後の治療費の請求手続きがスムーズに進むのです。

もし、伝え忘れてしまったら?

「最初の診察で、事故のことを言い忘れてしまった」 そんな場合でも、諦めないでください。気づいた時点ですぐに、もう一度同じ医療機関を受診し、「実はこの症状は、先日遭った交通事故の後から出てきたものです」と、改めて医師に説明してください。

もちろん、初回の診察から時間が経てば経つほど、事故との因果関係を証明するのは難しくなります。しかし、何もしないよりは格段に良いです。できる限り早く行動しましょう。

事故と無関係と自己判断しないでください

当事務所で実際にご依頼をお預かりしているケースでも、交通事故後に「頭痛がするようになった」「視力が落ちた」「飛蚊症になった」という事案は少なくありません。一見して事故と関係ないと思われるかもしれませんが、詳しくお話をお伺いすると、「事故の際に頭を打った」というような原因が見つかります。

交通事故後に、事故前にはなかった症状や違和感がある場合、直ちに医療機関を受診していただくべきです。また、その際には必ず、「直近で交通事故に遭ったこと」をお伝えされてください。

事故に遭ったことを説明しないまま通院をされてしまうと、事故との因果関係が立証できず治療費の支払や賠償金の額に悪影響が生じます。

あなたの体を守り、正当な権利を守るために

あなたの体を守り、正当な権利を守るために

交通事故後の対応で最も優先すべきは、あなたのお体の治療です。そして、その治療を安心して受け、受けた損害に対する正当な補償を得るためには、医療機関での最初の「一言」が決定的に重要です。

「たいした事故じゃないから」「症状が軽いから」と自己判断せず、必ず医療機関を受診し、そして、必ず「交通事故に遭った」と伝えてください。

ルーセント法律事務所は、宝塚市・西宮市をはじめ阪神地域において、交通事故被害者の方々を力強くサポートしております。事故後の対応や、保険会社とのやり取りに少しでも不安を感じたら、どんな些細なことでも結構です。

初回のご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。あなたの健康と権利、その両方を守るために、専門家として最善を尽くします。

050-3529-6256

メールでお問い合わせ

LINE友だち追加

050-3529-6256050-3529-6256

お問い合わせ

公式LINE