この記事の監修者
磯田 直也
兵庫県弁護士会所属
大阪大学大学院高等司法研究科修了後、大手法律事務所で支店長などを務めた経験を持ち、個人の離婚・相続・交通事故・刑事事件から企業法務まで幅広い分野に対応しています。初回相談無料やオンライン面談にも対応し、依頼者に寄り添った丁寧な対応を心掛けています。


離婚問題において慰謝料は多くの方が直面する問題です。請求する側も、される側も、適切な知識を持つことが重要です。慰謝料問題は感情的になりがちで、当事者同士の話し合いだけでは解決が難しいケースも少なくありません。法的な知識と冷静な判断が必要とされる場面です。特に、相手との交渉が難しい場合や、DV・モラハラなどで顔を合わせたくない場合は、弁護士が代理人として交渉することで、精神的な負担を軽減しながら問題解決を進めることができます。
慰謝料とは、相手から不法に侵害を与えられたことで精神的損害を受けた方へ、不法に侵害を与えた者が賠償として支払う金銭です。離婚のケースでは、配偶者の命や肉体、自由、名誉、貞操などを傷つけ、離婚の原因を作った「有責配偶者」が支払うものです。
民法709条に基づく「不法行為に基づく損害賠償請求権」は、性別や立場に関係なく、損害を受けたすべての人に認められる権利です。「離婚の際に慰謝料がもらえるのは女性だけ」といった誤解もあるようですが、性別や立場は関係ありません。
婚姻は民法に基づく契約であり、夫婦には貞操義務があります。民法第770条第1項第1号では、「配偶者に不貞な行為があったとき」を離婚理由の一つとして定めています。
不貞行為(浮気・不倫)があった場合、貞操義務違反に基づいて慰謝料を請求できます。ただし、肉体関係があったことを証明できる証拠が必要です。単に二人きりで食事していたとか親しくしているというだけでは、慰謝料請求は難しいでしょう。
殴る蹴るなどの物理的な暴力はもちろん、言葉で相手を貶める、罵倒するなどの精神的暴力(DV)も「不法行為」にあたり、慰謝料請求の対象となります。
証拠としては、物理的暴力の場合は怪我の写真や医師の診断書、言葉による暴力の場合は録音や日記などが有効です。精神的ダメージが大きい場合は、精神科での診断書も有用な証拠となります。
民法第752条では「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」と定められています。悪意の遺棄とは、この義務を意図的に守らなかったケースを指します。
例えば、正当な理由なく一方的に別居する(同居義務違反)、生活費を払わない(扶助義務違反)、働ける状態なのに働かない、家事をしないなど(協力義務違反)が該当します。ただし、DVから避難するための別居などは悪意の遺棄には当たりません。
民法第770条第1項第5号の「婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当するケースとしては、次のようなものがあります。
「性格の不一致」だけでは通常、慰謝料請求の対象とはなりません。
慰謝料請求にも時効があります。
時効を過ぎると、慰謝料請求権が消滅するため注意が必要です。
まずは直接話し合うのが基本です。「言った」「言わない」のトラブルを避けるため、合意のもとでメモや録音を残しておくとよいでしょう。感情的になりがちなので、当事者のみでは不安な場合は、第三者の同席も検討すべきですが、単なる同席を超えて第三者が積極的に意見を述べることは状況がややこしくなるので避けるべきです。
話し合いでは、慰謝料の金額、支払い方法、支払期日などを決める必要があります。
話し合いがまとまったら、「示談書」「和解契約書」などの書面に残しましょう。支払期日が先の場合や分割払いの場合は、「強制執行認諾約款付公正証書」の作成がおすすめです。これにより、支払いが滞った際に訴訟を起こさずに財産の差し押さえが可能になります。
話し合いができない、まとまらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てましょう。離婚前でも後でも、調停は利用できます。調停でも合意できない場合は裁判となります。
ただし、配偶者の不倫相手などの第三者への慰謝料請求は調停の対象外です。内容証明郵便で請求し、応じない場合は訴訟となります。
ルーセント法律事務所では、慰謝料請求に関する様々なご相談を承っております。感情的になりがちな慰謝料問題だからこそ、法的知識を持った専門家による冷静な判断とサポートが重要です。どのようなことでもお気軽にご相談ください。 また、ご依頼をいただくことで、相手方配偶者や不倫相手との交渉を代理することが可能です。法律や交渉のプロが間に入ることで依頼者様のご負担を軽減しつつ、より納得のいく結果に繋げさせていただくことができます。初回無料相談も実施しておりますので、そちらもぜひご利用ください。
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