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【離婚と財産分与】見落とし厳禁!
「企業年金」の分け方と計算方法を弁護士が解説

2026.03.18

はじめに:貯金だけ分けて満足していませんか?

はじめに:貯金だけ分けて満足していませんか?

離婚に伴う財産分与の話し合いにおいて、預貯金や自宅(不動産)、車などはリストアップされても、意外と抜け落ちてしまうのが「企業年金」です。

「年金なら、役所で『年金分割』の手続きをするから大丈夫」そう思っている方は、要注意です。

役所で行う年金分割の対象は、あくまで国の「厚生年金」部分のみです。

会社独自の上乗せ部分である「企業年金」は、「財産分与」として個別に計算し、請求しなければ、1円も受け取ることができません。

この記事では、見落としがちな企業年金の取り扱いと、具体的な計算・精算方法について解説します。

なぜ企業年金も「半分」もらえるのか?

そもそも、なぜ夫(または妻)が勤務先で積み立てている企業年金を、離婚する配偶者が受け取れるのでしょうか?

それは、企業年金や退職金が「賃金の後払い」としての性質を持っているからです。

婚姻期間中に支払われた給料の一部が、将来のために会社に積み立てられていると考えます。その積み立ては、配偶者の家事や育児などの協力(内助の功)があって初めて成り立ったものです。

したがって、企業年金も預貯金と同じく「夫婦共有財産」とみなされ、原則として2分の1(50%)を受け取る権利があるのです。

企業年金の計算・評価方法

企業年金を分けるためには、「その価値がいくらなのか」を金額で確定させる必要があります。

これは、相手が「現在働いているか(現役)」、「すでに定年退職しているか(受給中)」によって計算方法が異なります。

1.相手が現役で働いている場合

将来受け取る予定の年金ですが、離婚時に精算する場合は、「もし、今会社を辞めたらいくら戻ってくるか」という基準で評価します。

  • 計算方法別居時(または離婚時)を基準日として、「仮にこの日に自己都合退職した場合に支払われる一時金の額」を会社に算出してもらいます。
  • 対象となる期間就職してから現在までの全額ではなく、「結婚してから別居するまでの期間」に対応する分だけが分与の対象です。

2.相手がすでに受給している場合(退職後)

すでに年金として毎月受け取っている場合は、将来受け取る予定の総額や、確定している受給権をベースに計算します。

  • 計算方法:「現在受け取っている年金月額」や「受給残期間」をもとに、婚姻期間に対応する割合を計算します。

どうやって受け取る? 2つの「精算方法」

金額が決まったら、それをどうやって支払ってもらうかを決めます。

① 一時金での精算

評価額の半分を、離婚時に「現金(一時金)」で一括払いしてもらう方法です。

  • メリット
    その場で解決するため、将来の不安がなくなります。相手と将来に亘って金銭のやりとりをする必要がなくなります。
  • デメリット
    相手にまとまった手持ち資金がない場合、支払いが難しいことがあります。その場合は、他の財産(自宅の持分など)で調整す

② 将来の給付時の精算

「将来、夫が年金を受け取るようになったら、その都度、元妻の口座に半分振り込む」という約束をする方法です。

  • リスク
    相手が約束を破って振り込まない可能性があります。
    相手が死亡した場合、支給がストップする可能性があります。
    離婚後も長期間、相手と連絡を取り合わなければなりません。

「企業年金なんてない」と言われたら?

相手が財産を隠そうとして、「うちは退職金も企業年金もない」と嘘をつくケースがあります。しかし、給与明細に掛金の控除があることや、就業規則(退職金規程)を確認したりすれば、制度の有無は分かります。

もし相手が開示に応じない場合、弁護士にご依頼いただければ、「弁護士会照会(23条照会)」や裁判所を通じた調査などを利用して、会社や関連機関に対し、退職金や企業年金見込額の調査を行うことが可能です。

数百万円の損をしないために

数百万円の損をしないために

大企業や公務員の場合、企業年金(退職金含む)の分与額は数百万円〜一千万円規模になることも珍しくありません。

「よく分からないから」と放置してしまうには、あまりに大きすぎる財産です。

ルーセント法律事務所は、宝塚市・西宮市をはじめ阪神地域において、熟年離婚や複雑な財産分与の解決に力を入れております。

 なお、相手方配偶者が公務員の場合、「退職等年金給付」などの名称で民間の企業年金に相当する上乗せ年金が導入されている場合があります。

共済年金についても制度の変更などが行われており、離婚に際しては年金分割で処理される部分と財産分与で処理しなければならない部分が混在している場合があり特に注意が必要です。

 「夫の退職金や年金がどれくらいあるのか見当もつかない」という段階でも構いません。まずは無料相談にお越しください。あなたの老後の安心を守るために、適正な分与額を算出し、粘り強く交渉いたします。

この記事の監修者

磯田 直也

兵庫県弁護士会所属

大阪大学大学院高等司法研究科修了後、大手法律事務所で支店長などを務めた経験を持ち、個人の離婚・相続・交通事故・刑事事件から企業法務まで幅広い分野に対応しています。初回相談無料やオンライン面談にも対応し、依頼者に寄り添った丁寧な対応を心掛けています。

磯田 直也

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