この記事の監修者
磯田 直也
兵庫県弁護士会所属
大阪大学大学院高等司法研究科修了後、大手法律事務所で支店長などを務めた経験を持ち、個人の離婚・相続・交通事故・刑事事件から企業法務まで幅広い分野に対応しています。初回相談無料やオンライン面談にも対応し、依頼者に寄り添った丁寧な対応を心掛けています。


離婚を考える際、子どもの将来に関わる養育費の問題は多くの方が不安を感じる重要な課題です。
養育費は子どもの健やかな成長を支える大切な資金です。
しかし実際には、養育費を受け取っている母子家庭は全体の約28%、父子家庭では約9%にとどまっています。養育費の問題は法的な知識と適切な対応が必要です。お一人で抱え込まず、専門家に相談することで解決の道が開けます。
養育費とは、子どもを監護・教育するために必要な費用です。離婚後、子どもと一緒に暮らす親(監護親)は、子どもと離れて暮らす親(非監護親)に対して養育費を請求することができます。
養育費には、子どもが社会的・経済的に自立するまでの標準的な生活に必要な費用が含まれます。
| 生活費 | 衣服代、食費、住居費、光熱費など |
|---|---|
| 医療費 | 通院費、入院費、薬剤費など |
| 教育費 | 公立学校の授業料、教科書代など |
養育費の支払いは、親が負う法律上の義務であり、この義務は離婚後も継続します。
重要なのは、養育費は「生活保持義務」という強い義務に基づくものであり、子どもに自分と同水準の生活を保障することが求められます。
非監護親の生活が苦しいという理由だけで支払いを免れることはできません。
養育費は原則として「請求したときから」受け取ることができ、「子どもが20歳になるまで」を目安に支払われます。
ただし、子どもの状況に応じて期間を変更することも可能です。例えば、大学進学の場合は「大学卒業まで」や「22歳になるまで」と取り決めることもできます。
養育費の相場は、次の要素によって変わります。
全国の家庭裁判所では「養育費算定表」を参考に養育費を算定しています。実際の相場としては、次のようになっています。
母子家庭の平均…月額約5万円
父子家庭の平均…月額約2.6万円
養育費は次のいずれかの方法で取り決めます。
父母間で直接話し合いを行います。合意ができたら、将来のトラブル防止のために取決め内容を書面にまとめましょう。取り決めの内容を「公正証書」にしておくことで、未払いが生じた場合に強制執行をすることができるようになります。
など
話し合いで合意できない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てます。離婚前なら「離婚調停」、離婚後なら「養育費請求調停」で話し合いを行います。
調停で合意できなかった場合は、審判または裁判で養育費が決定されます。
一度取り決めた養育費であっても、後発的な事情の変化に応じて金額や支払期間を見直すことが可能です。養育費は子どもの成長や親の経済状況など、長期間にわたる変化を考慮して柔軟に対応できる制度となっています。
支払期間の変更が検討できる場合:
子どもが大学に進学した(延長)
子どもが経済的に自立した(短縮)
取り決めた養育費が約束通りに支払われないことは、お子様の生活に直接影響する深刻な問題です。支払いが滞った場合には、段階的に次のような対応を検討することができます。
養育費の支払いが滞った場合、まずは相手方に直接連絡を取り、支払いを求めましょう。電話やメールでのやり取りは記録として残しておくことが大切です。
直接請求しても支払われない場合は、家庭裁判所に「履行勧告」や「履行命令」の申立てができます。これは調停や審判、裁判で養育費が決まっている場合に利用できる制度です。履行命令に従わない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。
履行勧告・命令でも支払いがない場合は、「強制執行」という法的手続きが有効です。相手の給与、預貯金、不動産などを差し押さえて養育費に充てることができます。
強制執行には公正証書(執行認諾文言付き)や調停調書などの「債務名義」が必要です。
これらの書類がない場合は、まず債務名義を取得するための手続きが必要になります。
養育費の取り決めは、「公正証書」として作成しておくことが非常に重要です。公正証書は公証役場で作成する公的な文書で、「執行認諾文言」という特別な条項を入れておくことで、養育費が支払われない場合に直ちに強制執行を申し立てることができるようになります。
未払いとなっている養育費を請求できる期間には制限があります。養育費の取り決め方法によって、時効期間が異なります。
公正証書や裁判所の手続きで決めた場合…10年
口頭や私的な書面で決めた場合…5年
時効が完成してしまうと、未払い分の養育費を請求できなくなってしまう可能性があるため、長期間未払いが続いている場合は早めに専門家に相談することをおすすめします。
このような場合でも、
後から養育費を請求することは可能です。
養育費は本来お子様の権利であり、親が勝手に放棄できるものではありません。状況が変わり養育費が必要になった場合は、「養育費請求調停」を申し立てて請求することができます。
ルーセント法律事務所では、養育費の取り決めや未払い養育費の回収に関するご相談を承っております。養育費の適正な金額の算定、法的効力のある書面の作成、不払い時の対応など、どのようなことでもお気軽にご相談ください。
また、ご依頼をいただけましたら、弁護士が依頼者様に代わって配偶者様との話し合いを行うことも可能です。交渉のプロが間に入ることで依頼者様のご負担を軽減しつつ、お子様の生活を守るための適切な養育費の取り決めに繋げさせていただくことができます。初回無料相談も実施しておりますので、そちらもぜひご利用ください。
ご来所不要の電話・ビデオ会議でのご相談もご利用いただけます。