依頼者:Dさん(60代女性・専業主婦)/ 夫(60代・定年退職)

ご相談前の状況
Dさんは、40年近く専業主婦として家庭を支え、仕事人間で家庭を顧みない夫に尽くしてきました。夫の定年退職が決まり、「これからは毎日、この夫と一日中顔を突き合わせて過ごさなければならないのか」と考えた時、Dさんは強い苦痛と絶望を感じました。
夫の退職日が過ぎたある日、Dさんは意を決して「これまでの感謝」とともに離婚を切り出しました。 しかし、夫の反応は冷ややかなものでした。「離婚はしないよ」「出ていくなら勝手にしたら良いが面倒は見ない」と一蹴され、全く取り合ってもらえませんでした。 それどころか、夫は「退職金で別荘を買う」などと、Dさんの気持ちを全く理解していない言動を繰り返しました。
「私の人生、このまま終わってしまうの?」 Dさんは、夫と直接話しても無駄だと悟り、当事務所にご相談に来られました。
ご相談後の状況
ご依頼を受けた当事務所は、夫に対して「受任通知」を送付し、Dさんの離婚の意思が固いこと、今後は弁護士が窓口となり交渉を行うことを通告しました。
また、Dさんは家を出て別居を開始しました。
夫は、弁護士からの通知とDさんが本当に家を出ていったことを受けて初めて事の重大さに気づき、慌てて連絡をしてきました。当初は「離婚なんて認めない」と激昂していましたが、弁護士は冷静に以下の点を説明し、交渉を進めました。
- Dさんの意思は強固であり、修復は不可能であること。
- 財産分与として、夫の「退職金」や長年の「預貯金」の半分(2分の1)を受け取る権利があること。
- 年金分割により、将来の年金も確保できること。
離婚が不可避であることを知った夫は離婚に応じざるを得なくなりました。 結果として、退職金を含む共有財産の約3,000万円の分与と、年金分割を行う条件で、協議離婚が成立しました。
Dさんは、「これからは誰にも気兼ねせず、自分のために時間とお金を使える」と、晴れやかな笑顔で新たな人生をスタートされました。

代表弁護士磯田 直也
弁護士からのコメント
定年退職を機に離婚を考える当事者は非常に多いですが、その多くが「経済的な不安」と「相手方配偶者の無理解」によって一歩を踏み出せずにいます。 「長年養ってきたのは誰だ」という相手方の主張は、法律の世界では通りません。専業主婦であっても、夫が築いた財産(退職金含む)の半分を受け取る権利が当然にあります。
夫が話し合いに応じてくれない、あるいは「文無しで出ていけ」などと脅されている場合こそ、弁護士の出番です。 あなたの我慢が限界に達する前に、ぜひ一度ご相談ください。あなたの「第二の人生」を守るために、私たちが全力を尽くします。
解決のポイント
当事者間のやりとりでは真剣に離婚を考えていることが十分に伝わらないケースも多い
弁護士への依頼や別居は、離婚意思が固いことを相手方に伝える効果的な方法である
退職金を使い果たされてしまうと財産分与ができなくなるため早期の対応が望ましい
相手方が離婚を拒否していても弁護士や裁判所の介入により解決が進むケースは多い

