はじめに
未成年の子どもが事件を起こしてしまった場合、保護者として特に不安になるのが「子どもが今後どうなるのか」という点ではないでしょうか。
少年事件では、成人事件とは異なる特別な手続が採られます。その中でも重要なのが、「身柄拘束」の方法です。
少年事件では、成人と同じ「勾留」が行われる場合もありますが、それとは別に「勾留に代わる観護措置」という制度が存在します。
もっとも、一般の方にとっては、
「観護措置とは何か」
「通常の勾留と何が違うのか」
「どちらが重い処分なのか」
といった点がわかりにくいかもしれません。
そこで本記事では、少年事件における「勾留に代わる観護措置」と「通常の勾留」の違いについて、弁護士がわかりやすく解説します。
少年事件における身柄拘束とは?
少年事件では、非行事実や犯罪事実の調査のため、一定期間、少年の身体拘束が行われることがあります。
もっとも、少年法は「少年の健全育成」を重視しているため、成人事件とは異なる配慮がされています。
そのため、少年事件では、
- 通常の勾留
- 勾留に代わる観護措置
という2つの方法が存在しています。
通常の勾留とは?
勾留の概要
通常の勾留とは、逃亡や証拠隠滅のおそれがある場合に、裁判官の判断によって身柄拘束を継続する手続です。
成人事件でも用いられる一般的な刑事手続であり、少年事件でも一定の場合に行われます。
勾留が認められると、少年は警察署の留置施設などで生活することになります。
勾留期間
一般的な勾留期間は、
- 原則10日間
- 延長されるとさらに10日間
です。つまり、最大で20日間程度、身体拘束が続く可能性があります。
少年事件で通常の勾留が行われるケース
少年事件では、原則として成人よりも慎重に勾留の必要性が判断されます。しかし、以下のようなケースでは通常の勾留が行われることがあります。
- 重大事件
- 共犯事件
- 証拠隠滅のおそれが大きい場合
- 被害者への接触のおそれがある場合
- 逃亡のおそれがある場合
特に、強盗、傷害、不同意性交等、薬物事件などでは、勾留が認められる可能性があります。
勾留に代わる観護措置とは?
制度の概要
勾留に代わる観護措置とは、少年法に基づく特別な身柄拘束制度です。
少年を通常の留置施設に長期間置くことによる悪影響を避けるため、比較的柔軟な方法で身柄を確保する制度といえます。
これは、「少年の更生」を重視する少年法特有の制度です。
どこに収容されるのか?
勾留に代わる観護措置では、
- 少年鑑別所
- 児童相談所
- その他適切な施設
などに収容される場合があります。
通常の勾留のように、警察署の留置施設で過ごすとは限りません。
そのため、成人の被疑者と接触するリスクを一定程度避けられる点が特徴です。
期間はどれくらい?
勾留に代わる観護措置の期間は、原則として10日間です。
ただし、必要がある場合には更新されることがあります。
「通常の勾留」と「勾留に代わる観護措置」の違い
1.制度の目的が異なる
通常の勾留は、主に逃亡防止、証拠隠滅防止を目的としています。
これに対し、勾留に代わる観護措置は、少年の保護、環境調整、更生への配慮という少年法的観点が重視されています。
2.収容先が異なる
通常の勾留では、警察署の留置施設に収容されるのが一般的です。
一方、勾留に代わる観護措置では、少年鑑別所などに収容される場合があります。
この違いは、少年の精神的負担にも大きく影響します。
3.処遇や生活環境が異なる
少年鑑別所では、生活指導、面談、心理的調査、行動観察などが行われることがあります。
単なる拘束ではなく、更生可能性の調査・支援という側面がある点が特徴です。
家庭裁判所送致後の「観護措置」とは別制度
少年事件では、「観護措置」という言葉が複数の場面で使われるため注意が必要です。
本記事で解説している「勾留に代わる観護措置」は、捜査段階での身体拘束制度です。
これとは別に、家庭裁判所送致後には、家庭裁判所が決定する「観護措置」があります。
こちらは、少年審判に向けた調査・鑑別のために少年鑑別所へ収容する制度であり、勾留に代わる観護措置とは別の手続です。
少年事件で弁護士に依頼する重要性
少年事件では、初期対応が非常に重要です。
特に、身柄拘束がされている場合には、早期釈放の働きかけ、家庭環境の調整、学校対応、被害者との示談、更生環境の整備などを迅速に進める必要があります。
弁護士が早期に関与することで、勾留回避、身柄解放、少年院送致回避、保護観察処分の獲得などにつながる可能性があります。
また、保護者の不安軽減という点でも、弁護士のサポートは重要です。
お子様が逮捕された場合、すぐにご相談を
少年事件では、成人事件とは異なり、「少年の更生」が重視されます。
そのため、身柄拘束についても、通常の勾留、勾留に代わる観護措置という異なる制度が存在しています。
特に、勾留に代わる観護措置は、少年への悪影響を抑えつつ、適切な調査や保護を行うための制度です。
もっとも、いずれの制度でも、少年本人や家族への負担は非常に大きくなります。
少年事件では初動対応が結果を左右することも少なくありません。
お子様が逮捕・補導された場合には、できるだけ早く少年事件に詳しい弁護士へ相談することをおすすめします。
ルーセント法律事務所は、西宮市・宝塚市をはじめ阪神地域において、これまで2000件以上のご相談にご対応させていただいています。
初回のご相談は無料です。少年事件でお悩みの場合はお気軽にお問い合わせください。


