弁護士コラム

【世代別】未成年者:10代の刑事事件(少年事件)について

2026.06.15

少年事件の傾向と概要

少年事件の傾向と概要

ルーセント法律事務所では、宝塚市・西宮市をはじめ阪神地域の刑事事件を多数取り扱っています。

被疑者の世代によって事件化することが増えている犯罪類型があるため、本記事では世代別に解説をしています。

 

「お子さんを警察署で預かっています」

ある日突然、警察からかかってきた一本の電話。

 

「まさかうちの子が」

「これから学校はどうなるのか」

「将来の就職は…」

と、計り知れないショックと不安に襲われることでしょう。

 

未成年(20歳未満)が起こした事件は、成人の刑事事件とは異なり「少年事件」として扱われます。

少年事件の最大の目的は、子どもを「罰する」ことではなく「教育し、立ち直らせること(更生)」にあります。そのため、成人のように前科がつく刑事裁判ではなく、家庭裁判所での「審判」という手続きに進むのが原則です。

 

しかし、「子どもだから許される」「軽く済む」というわけでは決してありません。対応を間違えれば、長期間身柄を拘束され、退学処分になるなど、子どもの将来に消えない傷を残してしまいます。

ここでは、現代の少年事件で急増している典型的な犯罪と、親としてどう対応すべきかを弁護士が解説します。

現代の若者をとりまく「4つの典型的な少年事件」

近年、スマートフォンやSNSの普及により、子どもたちが犯罪に巻き込まれる、あるいは加害者になってしまうハードルが極端に下がっています。

当事務所にも、以下のようなご相談が数多く寄せられています。

1.窃盗(万引き・自転車泥棒など)

少年事件の中で昔から多いのが窃盗です。

「遊ぶお金が欲しかった」

「何度も万引きを繰り返していた」

という単独犯のほか、

「先輩に命令されて見張りをしていた」

「グループの遊び感覚で万引きをした」

など、周囲の環境や交友関係に流されて引き起こすケースが非常に多いのが特徴です。

窃盗は被害者に与える経済的な損失が大きく、たった数百円の万引きであっても薄利多売であることが多い店舗にとっては大きなダメージになります。

そのため、被害者からは厳しい処罰が求められるケースが多いです。

 

被害者への賠償はもちろん、犯罪(非行)の原因を突き止め悪い交友関係を断ち切ることや窃盗が癖になっている場合には専門的なカウンセリングの受診を進める必要があります。

2.大麻などの違法薬物(大麻取締法違反)

今、最も深刻で、阪神地域でも増加が顕著なのが若年層の大麻汚染です。

 

SNSなどで売人と簡単にコンタクトが取れてしまうため、高校生や大学生が気軽に手を出してしまいます。

また、タイや米国の一部など大麻が合法化されている地域への旅行や留学などの際に現地で大麻を使用したことで日本に戻ってきてからも薬物に手を出しているケースがとても増えています(なお、タイについては近時嗜好目的での大麻利用は違法化されています。)。

CBDオイルやリキッドなど、大麻由来の成分が含まれる製品が販売されていることも状況に拍車をかけています。

違法な薬物は法律上その成分(化学式)で特定されていますが、規制外の成分が次々と生まれていっています。

特に、インターネット通販で販売されているリキッドなどは、何が含まれているかわかりません。本人が「違法ではない」と考えていたとしても、実は違法な成分が含まれていたというケースも多数発生しています。

友人に売っていたなど、営利目的があると判断された場合は更に状況が悪くなります。

 

大麻については非常に厳しい取り締まりが行われており、初犯であっても逮捕されることや(大人であれば)起訴されて刑事裁判になることも珍しくありません。

「先輩に誘われて断れなかった」

「一回だけならバレないと思った」

という軽い気持ちが、逮捕やその後の長期間の身体拘束という最悪の事態を招きます。

 

逮捕の初期や取り調べの対応がその後の明暗を分けることもあります。

実際に当事務所で対応させていただいた大学生グループの事件でも、成人していたメンバーについてはそれぞれ状況に応じて起訴(正式裁判)と不起訴が分かれ、未成年のメンバーも少年審判の結果、保護観察と少年院送致に分かれた事案がありました。

うち、当事務所でご依頼をいただいていた少年については保護観察という最も将来への影響の少ない結果となりました。

3.インターネット上での名誉毀損・侮辱(SNSトラブル)

スマホ一つで、誰でも瞬時に情報を発信できる現代特有の犯罪です。

 

「気に入らない同級生の悪口をX(旧Twitter)に書き込んだ」

「友人のプライベートな写真を無断でさらした」

といった行為が、名誉毀損罪や侮辱罪に問われます。

 

本人は「ただの悪ふざけ」のつもりでも、被害者が警察に被害届を出せば、立派な犯罪として捜査の対象になります。

 

SNSトラブルは後を絶たず、時には被害者が命を断つ重大なケースもあることから警察の捜査や処罰が年々厳しくなっています。

他方、この事案では警察が介入する前(刑事事件になる前)に当事者間で交渉が可能なことが少なくありません。

刑事事件として捜査が始まる前に、被害者との示談により解決ができないか目指すべきでしょう。

4.盗撮などの性犯罪

スマートフォンのカメラ機能の向上や、SNS上のコミュニティの影響で、駅のエスカレーターや商業施設での盗撮行為(性的姿態等撮影罪など)に及んでしまう少年が増えています。

 

性犯罪は被害者の処罰感情が非常に強く、学校や社会からの目も厳しいため、極めて慎重な対応が求められます。

 

中には、学校のトイレや更衣室で盗撮に及ぶケースも増えています。

学外での犯罪であれば弁護士が対応することで学校に知られることなく事件を終わらせることができる場合もありますが、学内での犯罪については警察が学校内の犯行現場の捜査を行うことからほぼ確実に学校にも事件を知られることとなります。

被害者との示談成立の有無、学校側の判断次第ではありますが、たとえば大学生が構内で盗撮をし、被害者との示談ができていないケースについては退学処分が強く予想されます。

 

性犯罪についても、性的な興味が犯行の理由になっている場合は、再犯防止のためには専門のカウンセリングの受診が必要となります。

少年事件の流れと「鑑別所」のリスク

少年事件の大きな特徴は、警察・検察の捜査が終わった後、すべての事件が「家庭裁判所」に送られる(全件送致)という点です。

ここで最も気をつけなければならないのが、「少年鑑別所」への収容(観護措置)です。家庭裁判所の判断により鑑別所に入れられると、約4週間(約1ヶ月)もの間、社会から隔離されて心理テストや面接などが行われます。

1ヶ月も学校を無断で休めば、事件のことが学校に発覚するリスクは極めて高くなり、退学処分に直結しかねません。

子どもの居場所を守るためには、「鑑別所行きを阻止し、自宅から家庭裁判所に通いながら手続きを進めること」が最大の防御となります。

子どもの未来を守るために、弁護士ができる3つのこと

ご両親だけで警察や学校、そして被害者と対応するのは非常に困難です。私たち弁護士(付添人)は、子どもの味方として以下の活動を迅速に行います。

1.鑑別所行きの阻止(身体拘束の回避)

「両親がしっかり監督できる」「学校に通わせる必要がある」といった具体的な事情を裁判官に伝え、自宅での生活を続けながら更生を目指せるよう働きかけます。

2.被害者との早期示談

窃盗や名誉毀損、盗撮など被害者がいる事件の場合、弁護士が代理人として速やかに謝罪と賠償(示談)を行います。

被害者の方にお許しをいただくことは、家庭裁判所での処分を軽くする(不処分など)ためにも重要です。

3.環境調整と学校対応

「なぜ犯罪に手を染めてしまったのか」を子どもと一緒に考え、交友関係の断ち切りや家庭環境の改善を行います。

また、必要に応じて学校側と連携し、退学を回避して復学できる道を探ります。

「親としての責任」を果たすための第一歩

「親としての責任」を果たすための第一歩

「自分の育て方が悪かったのか……」とご自身を責めるご両親の姿を、私たちは何度も見てきました。

しかし、今一番大切なのは、過去を悔やむことではなく、「この失敗から子どもをどう立ち直らせ、未来へ繋ぐか」という前向きな行動です。

少年事件は、大人の事件以上に「スピード」が命です。

ルーセント法律事務所は、宝塚市・西宮市をはじめ阪神地域において、少年事件のサポート・付添人活動に豊富な経験を持っています。

警察から連絡が来たら、まずは当事務所の無料相談へお電話ください。ご家族と一緒に、お子様の再出発を全力でサポートいたします。

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