弁護士コラム

「不同意性交等罪」とは?
重い法定刑と、不起訴・減刑のための示談の重要性

2026.01.20

はじめに:2023年刑法改正による大きな変化

はじめに:2023年刑法改正による大きな変化

2023713日に施行された改正刑法により、日本の性犯罪に関する処罰規定は大きく変わりました。

これまで「強制性交等罪」として知られていた刑法第177条は、「不同意性交等罪(ふどういせいこうとうざい)」として全面的に改正されました。

この改正は、単なる名称の変更ではありません。「暴行・脅迫」がなくても、相手の「同意がない」性的な行為を広く処罰の対象とするものであり、これまで罪に問われにくかったケースも犯罪として成立する可能性が高まりました。

 

もし、ご自身がこの「不同意性交等罪」の疑いをかけられてしまった場合、それはあなたの人生を左右する、極めて深刻な事態です。

この記事では、新設された刑法第177条「不同意性交等罪」の内容と、その重い刑罰、そして最悪の事態を回避するために不可欠な「被害者との示談」について、弁護士が分かりやすく解説します。

刑法第177条「不同意性交等罪」とは?

新しい刑法第177条(不同意性交等罪)は、性交、肛門性交、口腔性交などを処罰の対象としています。

改正前の「強制性交等罪」では、罪が成立するために「暴行または脅迫」を用いて相手の抵抗を著しく困難にさせたことが必要でした。

しかし、新しい「不同意性交等罪」では、以下の8つのいずれかの状態を利用したり、そのような状態にさせたりして、相手が「同意しない意思」を形成し、表明し、または全うすることが困難な状態で性交等を行うことを処罰の対象としています。

暴行・脅迫を用いること
心身の障害を生じさせること
アルコール・薬物を摂取させること
睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること
同意しない旨を示す時間的・場所的いとまを与えないこと(例:予期せぬ状況で行為に及ぶ)
恐怖・驚愕させること、その心理状態を利用すること(例:恐怖で体が動かない状態に乗じる)
虐待に起因する心理的反応を生じさせること(例:日頃のDVなどで支配されている関係性を利用する)
経済的・社会的関係上の地位を利用すること(例:上司が部下に対し、拒否すれば不利益な扱いを示唆するなど)

 

このように、処罰される範囲が「暴行・脅迫」があった場合に限定されなくなり、「真の同意があったかどうか」がより厳しく問われることになりました。

極めて重い法定刑

「同意がなかった」と判断された場合、その刑罰は非常に重いものとなります。

法定刑(刑法第177条): 5年以上の有期懲役

これは、法律で定められた刑罰の下限が「5年」であることを意味します。

これは、初犯であっても、原則として「一発実刑」、つまり、執行猶予が付かずに刑務所に服役しなければならないことを意味しています。(執行猶予が付くのは、原則として判決が「3年以下の懲役」の場合です)

不起訴や処分の軽減に、なぜ「早期の示談」が不可欠なのか

このように、不同意性交等罪は、起訴されれば実刑判決を免れることが極めて困難な、重大犯罪です。

この最悪の事態を回避し、不起訴処分(前科がつかない、最も有利な処分)や、万が一裁判になった場合でも執行猶予付き判決を目指すために、弁護士ができることの中で、最も重要かつ効果的な活動が、被害者の方との「示談」を成立させることです。

示談とは?

加害者が被害者に対して、犯した罪を心から謝罪し、慰謝料を含む示談金を支払うことで、当事者間で事件を解決する合意のことです。

なぜ示談が重要か?

検察官が起訴・不起訴を判断する際や、裁判官が刑の重さを決める際に、「被害者の処罰感情(加害者を罰してほしいという気持ち)」を最も重視します。

示談が成立し、被害者の方から「加害者を許します(宥恕:ゆうじょ)」という言葉や、「刑事処罰は望みません」という内容の示談書(嘆願書)を得ることができれば、それは「被害者の処罰感情が和らいだ」として、検察官や裁判官の判断に極めて大きな影響を与えます。

示談の効果

1.不起訴処分の可能性

示談が成立すれば、検察官が「被害者も許しており、当事者間で解決した」と判断し、起訴を見送る(不起訴処分)可能性が生まれます。

2.執行猶予付き判決の可能性

起訴が避けられない場合でも、実刑判決しかないような重い罪(5年以上の懲役)に対し、示談成立という真摯な反省の情状を主張することで、裁判官が法律上の減軽(酌量減軽)を行い、判決を3年以下にまで引き下げ、執行猶予を付けるという判断をする可能性が生まれます。

この示談は、事件発生から時間が経てば経つほど、被害者の処罰感情は固まってしまい、交渉が困難になります。したがって、「早期の示談」が何よりも重要なのです。

示談交渉は、弁護士でなければ不可能

当然のことながら、性犯罪の被害者の方が、加害者本人やその家族と直接会って、示談の話し合いをすることはありません。

むしろ、そのような接触は被害者の心をさらに深く傷つける(二次被害)ものであり、絶対に避けなければなりません。

被害者の方との示談交渉は、法律の専門家であり、守秘義務を負った第三者である弁護士を通じてしか、事実上不可能です。

不同意性交等罪の疑いをかけられたら、一刻も早く弁護士へ

不同意性交等罪の疑いをかけられたら、一刻も早く弁護士へ

不同意性交等罪は、その成否の判断が難しく、かつ、法定刑が非常に重い、極めてリスクの高い犯罪です。

 

「相手も同意していたと思った」

「お酒の上のことだった」

 

といった言い分は、新しい法律のもとでは通用しにくくなっています。

もし、あなたやあなたの大切な方が、この罪の疑いをかけられてしまったら、人生を棒に振る前に、一刻も早く、刑事事件(特に性犯罪)の弁護経験が豊富な弁護士にご相談ください。

ルーセント法律事務所は、宝塚市・西宮市をはじめ阪神地域において、このようなデリケートな問題を含む刑事事件の弁護活動に豊富な経験がございます。ご相談は秘密厳守です。

初回のご相談は無料ですので、取り返しのつかないことになる前に、まずは私たちにご連絡ください。あなたの未来を守るために、弁護士が全力でサポートいたします。

無料相談受付中

お問い合わせはこちら

050-3529-6256

受付時間:9:00~19:00

お問い合わせ

お気軽にお問い合わせください

公式LINEアカウント

友だち追加

ルーセント法律事務所 Lucent Law Office
交通事故問題に強い弁護士宝塚市のルーセント法律事務所
coconala 法律相談
弁護士ドットコム
刑事事件相談弁護士ほっとライン
ベンナビ 刑事事件

050-3529-6256

メールでお問い合わせ

公式LINEアカウント