弁護士コラム

「自首」と「出頭」は違う!
刑事事件で後悔しないための正しい知識と弁護士の役割

2025.10.01

はじめに:罪を犯してしまい、自ら警察へ…その前に

はじめに:罪を犯してしまい、自ら警察へ…その前に

罪を犯してしまった後悔の念や、「いつ逮捕されるかわからない」という恐怖から、「いっそのこと、自ら警察に行って全てを話そう」と考える方がいらっしゃいます。

そのようにご自身の過ちと向き合おうとする姿勢は、非常に勇気ある一歩です。

しかし、その一歩を、正しい知識がないまま、衝動的に踏み出してしまうと、本来得られたはずの利益を失い、かえってご自身を不利な状況に追い込んでしまう危険性があります。

警察に行くという行為には、法律上、天と地ほど意味が違う「自首」「出頭」の2種類があることをご存知でしょうか。

この記事では、この2つの決定的な違いと、自首のメリット、そして、あなたの未来へのダメージを最小限に抑えるために、なぜ弁護士のサポートが必要不可欠なのかを解説します。

「自首」とは? - 刑が軽くなる可能性

自首とは、「捜査機関に、まだ犯人として特定される前に、自ら罪を犯したことを申告し、その処分を委ねること」を言います。

自首が成立すると、刑法第42条に基づき、裁判官が刑罰を判断する際に「その刑を減軽することができる」と定められています。

つまり、法律で認められた「刑を軽くしてもらえる」可能性がある、極めて有利な事情となるのです。

これは、自ら反省し、捜査に協力した者に対して、法律が一定の配慮を与えていることを意味します。

「自首」と「出頭」の決定的な違い

「自首」と「出頭」は、どちらも「自ら警察署へ行く」という点では同じですが、その法的な意味合いは全く異なります。

その違いを決めるのは、「タイミング」です。

自首 (じしゅ) 出頭 (しゅっとう)
タイミング 捜査機関が、犯人が誰であるか特定する前 捜査機関が、既に犯人が誰であるか特定した後
具体例 犯行の証拠が少なく、警察がまだ犯人を絞り込めていない段階で申告する。 防犯カメラや目撃者の証言で身元が割れ、警察から電話があったり、逮捕状が出ていたりする段階で出向く。
法的効果 刑が減軽される可能性がある(刑法42条) 法律上の刑の減軽はない
評価 極めて有利な事情として、その後の処分に大きく影響する。 自首ほどの大きな評価は得られないが、反省している事情の一つとして考慮される余地はある。

 

つまり、警察があなたのことを犯人だと突き止める「前」か「後」か、このわずかな差が、その後のあなたの運命を大きく左右するのです。しかし、ご自身で「警察がどこまで捜査を進めているか」を正確に知ることは不可能です。

自首が成立した場合の大きなメリット

法的に有効な自首が成立した場合、単に刑が軽くなる可能性があるだけでなく、以下のような極めて大きなメリットが期待できます。

メリット1:逮捕を回避できる可能性が高まる

自首は、「逃亡したり、証拠を隠滅したりする意思がない」ことの最も強い証明です。

そのため、警察も逮捕の必要性が低いと判断し、身体拘束を伴わない「在宅事件」として扱ってくれる可能性が格段に高まります。

これにより、会社や学校に通いながら、社会生活への影響を最小限に抑えつつ、捜査に対応することができます。

メリット2:不起訴処分の可能性が高まる

自首は、検察官が起訴・不起訴を判断する上で、真摯な反省の情を示す、非常に有利な情状となります。

特に、被害者がいる事件で、自首に加えて被害者との示談が成立すれば、検察官が「今回は起訴を見送る」という不起訴処分(前科がつかない、最も有利な処分)を選択する可能性が大きく高まります。

メリット3:「いつバレるか」という恐怖から解放される

いつ警察が自宅に来るか、いつ職場で声をかけられるか、という精神的な重圧から解放され、ご自身の罪と向き合い、更生への一歩を踏み出すことができます。

なぜ「自首」には弁護士のサポートが必要不可欠なのか

ここまで見てきたように、自首には大きなメリットがありますが、そのメリットを最大限に引き出し、確実に実現するためには、弁護士のサポートが絶対に必要です。

準備なく一人で警察署に行くことは、ほとんど利益のない「出頭」になってしまったり、かえって不利な状況を招いたりするリスクがあります。

① 自首すべきかどうかの戦略的判断

そもそも、あなたのケースで自首することが最善の選択なのかを、弁護士が法的な観点から冷静に分析します。事件の内容、証拠の有無、発覚するリスクなどを総合的に考慮し、あなたにとって最適な方針をアドバイスします。

②「自首」として成立させるための準備と交渉

弁護士は、警察署に連絡を取り、捜査状況をそれとなく確認し、あなたの申告が「自首」として扱われるよう、環境を整えることができます。

また、取調べで話すべき内容を事前に入念に打ち合わせ、供述の方針を固めてから警察署へ向かいます。

③ 警察署への同行と取調べへの対応

弁護士が自首に同行します。専門家である弁護士が付き添うことで、あなたの反省の意思が真摯なものであることを警察に効果的に伝え、不当な逮捕を避けるよう強く働きかけます。

また、取調べの際にも、不利益な供述調書が作成されないよう、あなたの権利を徹底的に守ります。

④ 自首後の示談交渉など、迅速な弁護活動

自首が受理された後、弁護士は直ちに被害者(がいる場合)との示談交渉に着手します。

自首と示談の成立という2つの強力なカードを揃えることで、不起訴処分の獲得をより確実なものにしていきます。

後悔を、未来への一歩に変えるために

後悔を、未来への一歩に変えるために

罪を犯してしまった後悔の念から逃げるのではなく、それと向き合い、自らの意思で出頭することは、更生への重要な第一歩です。しかし、その勇気ある一歩を、後悔の残るものにしないためには、法律の専門家による正しいナビゲーションが不可欠です。

ルーセント法律事務所は、宝塚市・西宮市をはじめ阪神地域において、刑事事件に関するご相談に迅速に対応しております。「罪を犯してしまい、どうすればいいかわからない」「自首を考えているが、一人では不安だ」という方は、警察署に行く前に、まず当事務所にご相談ください。

ご相談は秘密厳守です。初回のご相談は無料ですので、勇気を出して、まずはご連絡ください。私たちが、あなたの再出発を法的な側面から全力でサポートいたします。

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