弁護士コラム

逮捕後の流れと身体拘束
-家族が逮捕されたら知るべき『身柄解放』の全知識-

2025.06.12

はじめに:ご家族の逮捕、長期化する身体拘束への不安

はじめに:ご家族の逮捕、長期化する身体拘束への不安

「夫(妻)が逮捕された…一体いつ帰ってこられるのだろう?」

「息子(娘)が勾留されると聞いた。このまま刑務所に入ってしまうのか?」

 

大切なご家族が逮捕されたとき、残されたご家族が抱く最大の不安は、「いつ身柄が解放されるのか」「この身体拘束はいつまで続くのか」という点ではないでしょうか。逮捕後に手続きは刻一刻と進み、対応が遅れるほど身体拘束が長期化するリスクが高まります。

身体拘束が長引けば、職場を解雇されたり、学校を退学になったり、家族関係に深刻な影響が出たりと、その後の社会復帰に大きな支障をきたします。

この記事では、刑事事件における身体拘束(身柄拘束)の段階的な流れと、各段階で可能となる身柄解放のための活動、そして、なぜ早期に私選弁護士に依頼することが極めて重要なのかを解説します。

刑事事件における身柄拘束の基本的な流れ

刑事事件における身柄拘束は、大きく以下のステップで進んでいきます。

ステップ1:逮捕(逮捕後~最大72時間)

期間

逮捕されてから最大72時間(3日間)です。

  • 警察段階(最大48時間): 逮捕後、警察は48時間以内に、事件を検察官に送致するか、被疑者を釈放しなければなりません。
  • 検察官段階(最大24時間): 送致を受けた検察官は、24時間以内に、裁判官に勾留を請求するか、被疑者を釈放(または起訴)しなければなりません。
身柄解放のポイント

この72時間は、後の勾留を防ぐための最初の重要な期間です。

弁護士がこの段階で検察官に対し、勾留請求すべきでない旨の意見書を提出するなど、迅速に活動することが極めて重要です。実際の事件では、72時間を目一杯使うケースは少なく、対応に充てることができる時間はもっと少ないのが通常です。

ステップ2:被疑者勾留(ひぎしゃこうりゅう)(最大20日間)

期間

検察官の請求を裁判官が認めた場合、まず原則10日間、身体拘束が続きます。捜査のためにやむを得ないと判断されれば、さらに最大10日間延長される可能性があります。つまり、起訴前に最大20日間勾留されることがあります。

目的

検察官が、被疑者を起訴するかどうか(刑事裁判にかけるかどうか)を判断するために、捜査を続ける期間です。

身柄解放のポイント
  • 勾留決定に対する準抗告(じゅんこうこく): 勾留決定(や勾留延長決定)は不当であるとして、裁判所に不服を申し立てる手続きです。これが認められれば、勾留が取り消され釈放されます。
  • 不起訴処分の獲得: 弁護士が被害者との示談交渉を進めたり、被疑者に有利な証拠を提出したりすることで、検察官の「起訴する必要はない」という判断を促し、不起訴処分による釈放を目指します。

ステップ3:被告人勾留(ひこくにんこうりゅう)(起訴後~判決まで)

期間

被疑者勾留中に起訴された後、自動的に身体拘束が続く状態です。期間は起訴から2ヶ月間で、その後は1ヶ月ごとに更新され、判決が出るまで数ヶ月~1年以上に及ぶことも珍しくありません。

目的

被告人を刑事裁判に確実に出頭させるために行われます。

身柄解放のポイント
  • 保釈(ほしゃく)請求: 起訴された後に行える、この段階で最も重要な身柄解放活動です。保釈保証金を納付することを条件に、一時的に身柄を解放してもらう制度です。弁護士が、被告人が逃亡したり証拠隠滅したりする恐れがないことを説得的に主張し、裁判所に保釈を認めてもらいます。

【注意】身柄拘束が更に長期化する「再逮捕」とは

非常に厄介なのが「再逮捕」です。これは、ある事件(A事件)で20日間の勾留期間が満了するタイミングで、関連する別の事件(B事件)で再び逮捕されてしまうケースです。

これにより、逮捕(最大72時間)勾留(最大20日間)というサイクルが、B事件について再びゼロからスタートしてしまいます。複数の余罪がある事件などでは、この再逮捕が繰り返され、起訴される前に数ヶ月間にわたって身体拘束が続くという、極めて過酷な状況に陥ることがあります。

このような長期の身体拘束は、被疑者の心身を疲弊させ、精神的に追い詰められた結果、やってもいないことまで認めてしまうなど、不利益な供述につながる危険性も高まります。

身柄解放の実現には、なぜ「私選弁護士」への依頼が重要なのか

国選弁護制度も重要な権利ですが、一日も早い身柄解放を実現し、身体拘束の長期化を防ぐという観点からは、ご自身で選んで依頼する「私選弁護士」に、以下のような国選弁護人にはない決定的なメリットがあります。

【メリット1】スピーディーな対応:逮捕直後の72時間以内に動ける

私選弁護人は、ご依頼があれば逮捕された直後からすぐに活動を開始できます。勾留請求を防ぐための検察官との交渉など、後の展開を左右する初動対応が可能です。

一方、国選弁護人は原則として勾留された後でなければ選任されず、この最も重要な期間に活動することができません。

【メリット2】一貫した弁護活動:再逮捕にも即応できる

私選弁護人は、最初の事件から一貫して弁護活動を行うため、事件の全体像や捜査の進捗を深く理解しています。

再逮捕の可能性を事前に把握できるため、再逮捕にも即座に対応し、新たな勾留を防ぐための活動をスムーズに開始できます。

【メリット3】早期の身柄解放への注力

弁護士は、依頼者の「一日も早く社会に戻りたい」という思いに応えるため、準抗告や保釈請求といった身柄解放活動に、持てる知識と時間を最大限投入します。

特に、被害者との示談交渉は、身柄解放と終局処分の両方にとって極めて重要であり、経験豊富な弁護士の交渉力が結果を大きく左右します。

【メリット4】豊富な経験とノウハウ

刑事事件の経験が豊富な弁護士は、どのような主張が裁判官や検察官に響くのか、どのような証拠が有効かを知り尽くしています。その経験とノウハウを駆使し、あらゆる可能性を探って身柄解放を目指します。

ご家族の日常を一日も早く取り戻すために

ご家族の日常を一日も早く取り戻すために

身体拘束は、ご本人だけでなく、ご家族の生活にも大きな影響を及ぼします。しかし、日本の刑事手続きには、各段階で身柄を解放するための制度が用意されています。それを最大限に活用できるかどうかは、いかに早く、経験豊富な弁護士が関与できるかにかかっています。

ルーセント法律事務所は、宝塚市・西宮市をはじめ阪神地域において、刑事事件に関するご相談を多数お受けしております。ご家族が逮捕されたという知らせを受けたら、どうかパニックにならず、まずは当事務所にご連絡ください。初回のご相談は無料です。

ご依頼いただければ、直ちに警察署へ接見に向かい、ご本人を励ますとともに、今後の見通しと最善の対応策をご説明します。そして、一日も早くご家族の元へ戻れるよう、刑事弁護の専門家として全力で活動することをお約束します。

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