弁護士コラム

刑事事件の被害に遭われた方へ:
加害者との示談・損害賠償請求について弁護士ができること

2025.05.15

はじめに:突然の被害、心よりお見舞い申し上げます

ある日突然、犯罪の被害に遭うということは、身体的な傷だけでなく、心にも深く大きな傷を残し、その後の生活にも様々な影響を及ぼします。まずは、あなたが受けた被害に対し、心からお見舞い申し上げます。

事件後、あなたは犯人(加害者)に対して、「きちんと謝ってほしい」「与えられた損害を償ってほしい」と考えるのは当然のことです。

ここでは、加害者に対して謝罪や金銭的な賠償を求めるための主な方法である「示談(じだん)」と「損害賠償請求(そんがいばいしょうせいきゅう)」について、そして、その手続きを進める上で弁護士に相談・依頼することの重要性について、やさしく解説していきます。

加害者に対して何ができるのか? - 主な選択肢

加害者に対し、被害の回復や償いを求める方法には、主に以下の2つがあります。

1. 示談(じだん)

    • 内容:

加害者と被害者との間で、事件について話し合い、当事者同士で解決を図る合意のことです。通常、加害者からの謝罪と、示談金(治療費、壊れた物の弁償代、慰謝料などを含む)の支払いを取り決めます。

    • 特徴:

・当事者間で合意できれば、比較的早期に金銭的な支払いを受けることができます。
・示談の条件として、加害者との接触禁止など将来についての取り決めを盛り込むことも可能です。
・示談が成立すると、それが加害者の刑事処分(起訴・不起訴や刑の重さ)に影響を与えることがあります。(ただし、被害者が示談に応じる義務は一切ありません。)

    • 注意点:

加害者側から不当に低い金額を提示されたり、精神的に追い詰められたりするリスクもあります。

2. 損害賠償請求(そんがいばいしょうせいきゅう)

    • 内容:

示談が成立しない場合や、示談で提示された内容では納得できない場合に、裁判所を通じて、法的に損害賠償(金銭の支払い)を求める手続きです。

    • 方法:

民事訴訟:刑事裁判とは別に、地方裁判所などに民事訴訟を提起します。
損害賠償命令制度:特定の犯罪(傷害、性犯罪など)については、刑事裁判の有罪判決後に、その裁判記録を利用して、簡易・迅速に損害賠償を求める命令を裁判所に出してもらう制度(損害賠償命令制度)もあります。詳しくはこちらの記事をご確認ください。

    • 特徴:

裁判所が法に基づいて賠償額を判断するため、客観的で正当な金額の支払いを命じてもらえます。判決や命令には法的な強制力があり、相手が支払わなければ強制執行(財産差押えなど)も可能です。

    • 注意点:

示談と比較して解決までに多くの時間と費用がかかります。また、相手方が収入や財産を有していない場合、強制執行が奏功しない可能性もあります。

加害者と直接交渉するリスク

被害に遭われた方が、加害者本人やその家族と直接示談交渉を行うことは、精神的に非常に大きな負担となります。

  • 事件のことを思い出し、加害者側から、心ない言葉を浴びせられたり、威圧的な態度を取られたりする恐れがあります(二次被害)。
  • 法的な知識がないまま交渉すると、本来受け取れるはずの金額よりも大幅に低い金額で合意させられてしまうリスクがあります。

そのため、可能な限り、加害者側との直接の接触は避けるべきです。

弁護士に相談・依頼する重要性

被害回復のための手続きを進めるにあたり、弁護士に相談・依頼することには、以下のような極めて重要なメリットがあります。

弁護士はあなたの代理人として、加害者側との全ての交渉窓口となり、あなたを精神的な負担や、加害者側からの不当な要求から守りますあなたの気持ちを尊重しながら、最善の解決を目指します。

また、弁護士は、事件の内容、被害の程度、後遺症の有無、精神的苦痛の大きさなどを法的に評価し、過去の裁判例なども踏まえて、あなたが受け取るべき適正な示談金・損害賠償額(特に慰謝料)を算定し、不当に低い金額での示談を防ぎます。そして、相手方との示談交渉示談書の作成損害賠償命令の申立て民事訴訟の提起など、複雑で専門的な手続きを全て代わりに行うことができます

 弁護士に示談や損害賠償請求の対応を任せることで、あなたは事件のことを何度も思い返したり、煩雑な手続きに時間を取られたりすることなく、ご自身の心のケアや日常生活の回復に専念することができます。

犯罪被害に遭われた場合は、一人で抱え込まず、どうか勇気を出して、被害者支援に理解と経験のある弁護士にご相談ください。

一人で抱え込まず、当事務所にご相談ください

犯罪被害からの回復への道のりは、決して平坦ではありません。しかし、あなたは一人ではありません。適切なサポートがあれば、失われたもの全てを取り戻すことはできなくとも、正当な補償を受け、少しでも前に進むための一歩を踏み出すことができます。

ルーセント法律事務所は、宝塚市・伊丹市・西宮市をはじめ阪神地域において、多くの犯罪被害者の方々をサポートしてまいりました。示談交渉、損害賠償請求、刑事手続きへの参加など、被害者の方の状況とご希望に寄り添い、最善の解決を目指します。

ご相談は秘密厳守で行います。まずはお電話やお問い合わせフォームから、お気軽にご連絡ください。

あなたの権利を守り、心の負担を少しでも和らげるために、私たちがいます。

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