弁護士コラム

青少年(未成年者)を被害者とする犯罪について

2025.02.25
青少年(未成年者)を被害者とする犯罪について

青少年(未成年者)は大人に比べて心身が未成熟であることから法律上も特別に保護する必要があります。

そのため、青少年(未成年者)を被害者とする犯罪については、刑法や各都道府県の条例上特別の定めが置かれ、実務上特に厳しく取り締まられています。

一例としては、地域の青少年保護育成条例、監護者わいせつ罪や不同意性交等罪、児童ポルノ禁止法などが挙げられます。

いずれも、逮捕や実刑が強く予想されるケースです。

以下では、これらの罪名に当たるケースや、万が一犯罪を疑われたり逮捕された場合の対応について見ていきます。

青少年保護育成条例違反

青少年保護育成条例は、各地方公共団体が定めるもので、兵庫県の場合は「青少年愛護条例」が、大阪府の場合は「大阪府青少年健全育成条例」が定められています。地域ごとにやや内容が異なりますが、兵庫県の青少年愛護条例には次のように定められています。

(みだらな性行為等の禁止)
第21条 何人も、青少年に対し、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。
2 何人も、青少年に対し、前項の行為を教え、又は見せてはならない。


違反した場合の罰則は2年以下の懲役又は100万円以下の罰金や、30万円以下の罰金又は科料(第21条第2項の規定に違反した場合)です。

(罰則)
第30条 次の各号のいずれかに該当する者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
(2) 第21条第1項の規定に違反した者


青少年保護育成条例違反に関しては、兵庫県をはじめ多くの都道府県で「みだらな性行為」という規定が設けられていることが多いですが、具体的な定義が明確ではなくどこから犯罪になるのか分からないというのが現状です。

過去の最高裁判所の判断によれば、『「淫行」とは、青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為をいう』と判示されています。

少し整理すると、①誘惑・威迫・欺罔・困惑などにより青少年の心身の未成熟に乗じて性交等を行うことや、②青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための手段として扱って行った性交等の場合には「みだらな性行為」に当たると言えそうです。

また、同判例が、「淫行」に当たらない例外として「婚約中の青少年又はこれに準ずる真摯な交際関係にある青少年との間で行われる性行為等、社会通念上およそ処罰の対象として考え難い」場合を挙げていることから、インターネット上の記事では「真摯な交際関係があれば違法ではない」という言説が少なからず見受けられます。しかしながら、婚約の有無はそれ自体が法的な評価を含み裁判所の判断が必要となることが多く、真摯な交際関係ということについても解釈の幅が大きく、実務上真摯な交際関係があったと認められて不処罰となることは期待できません。

監護者わいせつ罪・監護者性交等罪

監護者わいせつ罪や監護者性交等罪は、監護者が18歳未満の者に対してわいせつな行為や性交等をしたときに成立する犯罪です。

刑法上、次のように定められています。

【刑法179条2項】
18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性行等をした者は、第177条(不同意性交等罪)の例による。
【刑法179条1項】
18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条(不同意わいせつ罪)の例による。


「監護者」とは、民法上の監護権に基づくものである必要はなく、現実に18歳未満の者を監督し、保護している者を指します。

実務上は、同居の有無や生活状況、生活費の支出状況などが判断要素となり、実親や再婚により18歳未満の者と養子縁組した養親、児童養護施設等の職員が監護者に該当し得ます。

監護者わいせつ罪の法定刑は、不同意わいせつ罪と同じ「6か月以上10年以下の懲役刑(令和7年6月1日以降は拘禁刑)」ですが、実務上は不同意わいせつ罪よりも重く取り扱われており、被害者の宥恕を含む示談が成立していなければ前科の有無にかかわらず執行猶予が付かない実刑として処罰されるケースが多く見られます。

不同意性交等罪

不同意性交等罪は、過去には強姦罪や強制性交等罪として処罰されていた内容が令和5年に改正されたものです。

典型的には、16歳以上の者に対して暴行や脅迫などを用いて性交渉を行うことが処罰されます。
これは、暴行や脅迫があった場合、被害者が性交渉に同意しない意思を適切に表明することが困難になるからです。

有効に同意があった場合には不同意性交等罪が成立することはありません。そのため被害者が16歳以上の場合や大人の場合には同意の有無が刑事裁判において大きく問題となります。

もっとも、以下の場合には同意の有無は問題となりません。

① 被害者が13歳未満の子どもである場合
② 被害者が13歳以上16歳未満の子どもで、行為者が5歳以上年長である場合

①被害者が13歳未満の場合、仮に被害者の同意があったとしても有効な同意とは判断されず、不同意性交等罪が成立します。②被害者が13歳以上16歳未満の場合かつ、行為者が5歳以上年長の場合も同様に有効な同意とは判断されません。

不同意性交等罪の法定刑は5年以上の懲役刑(令和7年6月1日以降は拘禁刑)であり、酌量減軽が認められなければ執行猶予を付けることができないため実刑となります。

児童ポルノ禁止法違反

青少年保護育成条例違反や不同意わいせつ罪・不同意性交等罪の事件と同時によく実務上問題となるのが児童ポルノ禁止法違反です。

児童ポルノ禁止法は、正式には「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」といいます。

18歳未満の児童を相手方とする性交又は性交類似行為の様子を撮影や録画した場合に成立します。

残念ながら、青少年保護育成条例違反や不同意性交等罪が立件され逮捕や家宅捜索を受けた際に、このような写真や動画が見つかり、児童ポルノ禁止法違反についても事件化するケースは少なくありません。

児童ポルノ禁止法違反も判明した際には、刑期に影響があることはもちろん、捜査や追起訴に追加の時間がかかるため、保釈などの早期の身柄開放が難しくなり何ヶ月も勾留が続いてしまうケースがあります。

青少年(未成年者)を被害者とする犯罪について当事務所ができるサポート

青少年(未成年者)を被害者とする犯罪について当事務所ができるサポート

青少年(未成年者)を被害者とする犯罪については、実務上非常に重く処罰されており、逮捕や長期間の勾留が強く予想されます。

また、当然ながら被害者や被害者の親権者らの被害感情や処罰感情が峻烈なケースが多く示談交渉にも困難が伴います。

被害者側との丁寧な示談交渉や被害弁償、及び早期の身柄開放に向けた活動や不起訴・執行猶予の獲得をご希望の場合は当事務所にご遠慮なくご相談ください。

事件化前や逮捕前・起訴前など、早めのご相談が肝要です。
ご本人様が逮捕されている場合には、ご家族の方からのご相談も承っております。

刑事事件の対応は宝塚市のルーセント法律事務所にお任せください。

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