万引きは、現行犯逮捕しかされないということはありません。防犯カメラの映像やポイントカードの利用履歴などから特定されてしまい、後日逮捕されるケースも少なくありません。逮捕されてしまうと長期間の身柄拘束となることや職場や家族に犯罪事実を知られてしまう危険性があります。万引きをしてしまって不安な方は、なるべく早く刑事事件に強い弁護士に相談して適切な対応を進めていくことが大切です。
今回は、万引きの刑事責任や万引きで後日逮捕されるタイミングについて解説します。
万引きでの逮捕は何罪?
通常、万引きでの逮捕は窃盗罪に問われる
万引きで逮捕されると、窃盗罪に問われます。
窃盗罪は、他人の財物を故意に持ち去ったり、無断で使用することで成立する犯罪です。いわゆる万引きは、窃盗罪として処罰されます。
窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
常習的な万引きは、常習累犯窃盗罪に問われる可能性がある
常習的な万引きの場合、常習累犯窃盗罪で処罰される可能性があります。
常習累犯窃盗罪は、過去10年以内に窃盗既遂罪・窃盗未遂罪・窃盗罪と他罪の併合罪によって、6か月以上の懲役刑を3回以上執行され、刑務所に収監された方が、更に窃盗罪を犯すことで成立します。
常習累犯窃盗罪は、盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律(盗犯等防止法)という昭和5年に施行された古い法律に規定があります。
常習累犯窃盗罪の法定刑は3年以上の有期懲役です。最低でも3年以上の懲役が科されることが定められており、窃盗罪や窃盗罪の累犯よりも重い処罰を受けることになります。
万引きをしたときの状況によっては、事後強盗罪に問われる
万引きをした物を取り返されるのを防いだり逮捕を避ける目的で、店員などに暴行や脅迫をおこなってしまうと事後強盗罪で処罰されるおそれがあります。
事後強盗罪の法定刑は、強盗罪と同じ5年以上の有期懲役です。
このとき、人を負傷させてしまうと事後強盗致傷罪となり、無期または6年以上の懲役刑が科される可能性があります。
さらに、人を死亡させてしまった場合は事後強盗致死罪となり、法定刑は死刑または無期懲役です。
万引きで後日逮捕されるタイミング
万引きは、1か月以内に後日逮捕されるケースが多い
万引きの捜査が進んでいる場合、万引きから1か月以内に後日逮捕となることが多いです。
万引き行為が映った監視カメラの映像解析や、被害者や目撃者の証言収集など、捜査には最低でも数日がかかります。なかには、1~2週間程度かかることもあるでしょう。
鮮明な証拠映像がすぐに見つかった場合や同じ店で万引きを繰り返していて既に特定されていた場合などには、当日や翌日に連絡が来ることもあります。
1年後に万引きで後日逮捕されることもある
万引きをした1年後に後日逮捕されるような例もあります。
たとえば、万引き被害が多く発生しているお店が、過去の防犯カメラ映像を遡ってチェックした際、あなたの過去の万引きが見つかってしまったケースです。
万引きの刑事事件としての時効は7年
万引きの公訴時効は7年です。つまり、刑事事件として扱われるのは7年であり、7年を過ぎれば刑罰を科される可能性はありません。そのため、後日逮捕されることもなくなります。
ただし、民事事件としての損害賠償請求の時効が残っている可能性があります。
万引きの民事事件としての時効は最長20年
万引き被害が民事事件となった場合の損害賠償請求の時効は、次のいずれか早いほうです。
- 被害者が万引きの事実と犯人を知ったときから3年
- 万引きがおこなわれたときから20年
民事では、万引きした商品代金や調査費などの損害を賠償する必要があります。
まとめ
万引きは現行犯に限らず、あとから逮捕されてしまうこともある犯罪です。もしも心当たりがある場合は、少しでも早く刑事事件の実績が豊富な弁護士に相談しましょう。
ルーセント法律事務所では、被害者との丁寧な示談交渉や身柄解放に向けた手続きなどによって、不起訴の獲得や刑事責任の軽減をサポートしています。
万引きや窃盗罪についてお悩みの方は、いつでも当事務所までご相談ください。